筑協|筑波研究学園都市交流協議会|つくば サイエンスシティネットワーク
会長挨拶
2024年7月1日より、筑波研究学園都市交流協議会(筑協)の会長に就任しました、国土交通省国土技術政策総合研究所長の福田です。どうぞよろしくお願いいたします。
筑波研究学園都市は、1960年代に東京の一極集中を緩和し、科学技術の振興を目的として計画され、我が国最大の研究開発拠点として発展してきました。特に、2005年のTX(つくばエクスプレス)開通により、都心へのアクセスが向上し、人口の増加も進んでいます。学園都市には、現在、29の国等の研究・教育機関、官・民合わせてl00を超える研究機関において、外国人研究者4,000人強を含む約1万7千人の研究者が活動しています。
筑協は、このような筑波の地において、2004年6月に、筑波研究学園都市研究機関等連絡協議会(筑研協)と筑波研究学園都市協議会(研学協)を統合し発足しました。筑協の目的は、「筑波研究学圏都市の国際性を活かし、筑波研究学園都市の将来像をふまえ、会員相互が研究交流、共通問題等について相互に緊密に連携し、必要な意見交換を行うとともに、真に住み良い成熟した都市づくりを図ること」としており、筑波の地における連携の要の役割を果たしています。
さて、日本は現在、少子高齢化による労働力の減少、経済成長の停滞、地球規模での気候変動と災害の激甚化、そして食糧問題等と、多くの課題に直面しています。これらの課題の対処には、デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)の推進、カーボンニュートラルへの移行等が求められます。
少子高齢化は労働力の減少をもたらし、経済成長の支障となります。この課題に対して、DXは重要な解決策となり得ます。例えば、AIやロボティクスの導入は、生産性の向上と労働力の効率的な利用を可能とします。また、気候変動による影響も日本にとって深刻な問題です。2024年1月1日には能登半島地震が発生し、南海トラフ巨大地震等が切迫する中、自然災害への対応では、GXの取り組みが不可欠です。再生可能エネルギーの利用拡大やエネルギー効率の向上により、カーボンニュートラルを実現し、気候変動・自然災害に強い社会が構築されます。さらに、食糧問題については、持続可能な農業技術の開発と普及が急務です。スマート農業の導入やDXを活用した食糧の安定供給は、食糧自給率の向上に寄与します。
これらの課題に対する解決策として、研究開発を通じたイノベーションの推進が求められています。特に、第6期科学技術・イノベーション基本計画に基づく新たな技術の開発とその社会への実装は、重要な役割を果たします。
そのためには、筑協が一体となり、研究開発を通じて日本の未来を切り開くことが求められます。持続可能で強靭な社会の実現に向け、研究開発によってこれらの課題の克服を目指します。また、研究機関の知見を生かした学園都市のまちづくりにも貢献します。
本協議会の活動を推進すべく、関係各位のより一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。
筑協パンフレット[PDF]
(国土交通省国土技術政策総合研究所 所長)
福田 敬大